MAGAZINE:

  • SALUS
  • 5月号Vol.206 / May / 2018毎月20日発行

INFORMATION:

2018/4/20:
佐治晴夫先生講演会招待券プレゼントの募集を開始しました。
2018/4/20:
SALUS5月号を発行しました。
2018/3/20:
SALUS4月号を発行しました。
2018/2/20:
SALUS3月号を発行しました。
2018/1/20:
お詫びと訂正 SALUS 2月号の誤りについて

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和ハーブ図鑑
日本に根付く和ハーブは約500種以上。
そのなかから香りが強く、日常的に使われてきた和ハーブをピックアップし、
その歴史や人とのかかわりを紹介します。

不老不死の神秘の果実

タチバナ(橘)[学名] Citrus tachibana

ミカンをそのまま小さくした形で、酸味が強い。太陽に向け鈴なりになり、その姿から長寿や不老不死の象徴とされた。『古事記』や『日本書紀』には「永遠に香る果実」と記され、最古の薬として登場する。
  • 分類: ミカン科 ミカン属
  • 分布: 本州、四国、九州

和薬の代表選手

カキドオシ(垣通)【学名】Glechoma hederacea subsp. grandis

「垣根を通して隣家へ入り込む」という名前の由来の通り、生命力がたくましい。葉を揉むとミントとバジルの間のような芳香が。血糖値降下やダイエットに効果的で、その優れた薬効は海外でも活用される。
  • 分類: シソ科 カキドオシ属
  • 分布: 北海道、本州、四国、九州

暮らしと密接なアロマ樹木

クロモジ(黒文字)【学名】Lindera umbellata

クロモジといえば爪楊枝の異名で知られるが、最大の魅力はその上品な香り。芳香成分が持つ殺菌力で枝は歯ブラシとして使われ、楊枝への用途につながった。枝葉を煎 じて、胃腸薬としていたと伝えられる。
  • 分類: クスノキ科 クロモジ属
  • 分布: 北海道、本州、四国、九州

台湾発の琉球ハーブ

ゲットウ(月桃)【学名】Alpinia zerumbet

沖縄のソウルアロマとして知られるが、実際は古い時代に台湾からやって来た。防虫・防腐・抗菌効果が高いとされ、亜熱帯気候の地で食物保存のために葉が用いられる。その強固な繊維はロープや屋根材に。
  • 分類: ショウガ科 ハナミョウガ属
  • 分布: 栽培(南西諸島、八丈島、小笠原諸島)

香り高い和のタイム

イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)【学名】Thymus quinquecostatus var. ibukiensis

背丈は15cmほど、茎は地面を這うように繁殖し、一見草にしか見えないが、「日本一小さな木」。この国に野生する唯一のタイムといわれ、葉をサッと撫でるとすがすがしい香りが漂う。強い抗菌作用を持つ。
  • 分類: シソ科 ジャコウソウ属
  • 分布: 北海道、本州、四国、九州

日本人の健康を支えた万能薬草

ドクダミ(蕺)【学名】Houttuynia cordata

ゲンノショウコ、センブリとともに、日本三大薬草(和薬)のひとつ。名は「毒を出す」「毒溜め」が変化したといわれる。強い殺菌作用のほか、解毒やむくみ解消、便秘改善などの緩下作用の高さも知られる。
  • 分類: ドクダミ科 ドクダミ属
  • 分布: 北海道、本州、四国、九州

旨みと苦みを備えた山菜の王様

フキ(蕗)【学名】Petasites japonicas

多くの山菜は新芽の頃のみが食用だが、フキは早い時期から長く楽しめる。フキの花芽・フキノトウは "山菜の条件"とされる旨みと苦みを兼ね備え、調理法もバリエーション豊か。山菜の隠れた王者といえる。
  • 分類: キク科 フキ属
  • 分布: 日本全国

女性に人気のジャパニーズローズ

ハマナス(浜茄子)【学名】Rosa rugose

乾燥させた花弁は鮮やかな紅桃色で、果実は梨やりんごのようなほんのり甘い味、そして芳醇な香りが人気。滋養に優れ、古くから活用された。根皮は染材となり、絹織物を染める「秋田八丈」が受け継がれる。
  • 分類: バラ科 バラ属
  • 分布: 北海道、本州

香ばしい和のシナモン

ヤブニッケイ(藪肉桂)【学名】Cinnamomum yabunikkei

日本野生種唯一のシナモン。かつては薬や香料として役立てられ、長崎県松浦地区では、解熱・鎮痛・健胃に薬効のある樹皮を「松浦桂心」という名で民間薬として販売、「マツラニッケイ」の別名がある。
  • 分類: クスノキ科 クスノキ属
  • 分布: 本州、四国、九州、沖縄

世界から注目される和のミント

ハッカ 【学名】Mentha canadensis var. piperascens(ニホンハッカ/主に栽培種)
Mentha japonica(ヒメハッカ/日本野生種)

奈良時代頃に大陸から導入された中国原産種だという説が有力。海外ハーブのミント類よりメントール成分が多く、清涼感が強い。明治時代はミント市場の世界シェア約70%を占めた日本だが、現在はわずかに。
  • 分類: シソ科 ハッカ属
  • 分布: 日本全国

北は北海道から南は沖縄まで

ヨモギ(蓬)【学名】Artemisia montaba(オオヨモギ)

アイヌから沖縄まで、全国各地で大切に使われてきた植物。アイヌでは生葉を揉んで脇の下などにこすりつけ、デオドラント剤に。また魔除けにも。沖縄では解熱・血圧降下などに民間薬として重宝された。
  • 分類: キク科 ヨモギ属
  • 分布: 日本全国

大分生まれの料理の名脇役

カボス(香母酢)【学名】Citrus sphaerocarpa

古くから民家の庭先に薬用として植栽された。カボスとスダチは混同されがちだが、前者はテニスボールほどの大きさで、まろやかな酸味で素材の味を引き立てる。後者はゴルフボールほどで、すっきりした酸味。
  • 分類: ミカン科 ミカン属
  • 分布: 栽培

日本人が最も使っていた薬草

ゲンノショウコ(現証拠)【学名】Geranium thunbergii

日本三大薬草(和薬)のひとつだが、中医学や漢方ではほとんど処方されない日本の民間薬の代表。名前の由来は、「現の証拠にたちまち効果が出る」。海外ハーブとして使われる「ゼラニウム」が本種の同属。
  • 分類: フウロソウ科 フウロソウ属
  • 分布: 北海道、本州、四国、九州

古くから愛される万能スパイス

サンショウ(山椒)【学名】Zanthoxylum piperitum

縄文遺跡から発見されるなど歴史は古く、日本に野生するスパイスとして愛されてきた。熟した果皮は黒色粉の調味料、春の若い葉は佃煮やあしらい、花は花山椒と、年間を通してほとんどの部位が活用される。
  • 分類: ミカン科 サンショウ属
  • 分布: 北海道、本州、四国、九州

韓国よりも早く渡来

トウガラシ(唐辛子)【学名】Capsicum annuum

"唐の辛子"だが故郷は中南米で、日本には室町時代に伝わった。辛味成分「カプサイシン」は種にはなくサヤに多い。褐色脂肪細胞を刺激して血流や体温を上げる。ほかにも健康・美容成分が多い和のスパイス。
  • 分類: ナス科 トウガラシ属
  • 分布: 栽培

世界中で知られる薬用植物

ショウガ(生姜)【学名】Zingiber officinale

日本には2~3世紀頃に大陸より伝わったとされる。早くから薬用植物として風邪や関節炎、健胃などに活用された。厄除け、魔除けにも使われ、特に生姜糖はお伊勢参りの土産物として人気だった。
  • 分類: ショウガ科 ショウガ属
  • 分布: 栽培

とても身近な世界最強の猛毒植物

トリカブト(鳥兜)【学名】Aconitum japonicum var. maritimum(ツクバトリカブト)

有毒成分は根に多く含まれ、おおよそ0.2gで即死レベルに。意外と人里に近い森林で多く見られ、日本にはトリカブト属が約30種も自生する。世界最強の有毒植物も人の知恵によって薬として役立っていた。
  • 分類: キンポウゲ科 トリカブト属
  • 分布: 北海道、本州、四国、九州

「食べると物忘れする」は迷信?

ミョウガ(茗荷)【学名】Zingiber mioga

よく食べられる部位は花蕾だが、春の若い茎も美味。食べると物忘れするというのは迷信で、その香りが逆にリフレッシュ作用をもたらす。初夏~秋に旬を迎え、それぞ れ夏ミョウガ、秋ミョウガと呼ばれる。
  • 分類: ショウガ科 ショウガ属
  • 分布: 栽培

純日本原産和ハーブの代表

ワサビ(山葵)【学名】Eutrema japonicum

平安時代の法令集『延喜式』に、日本海側の諸国から朝廷にワサビが献納された記録が残り、重要な産物として位置づけられていたことがわかる。英名も「Wasabi」と記され、和のスパイスの代表といえる。
  • 分類: アブラナ科 ワサビ属
  • 分布: 栽培

シソとエゴマは同種の植物

シソ(紫蘇)【学名】Perilla frutescens var. crispa

シソとエゴマの遺伝子は同じで、共に太古の時代に大陸から導入され、縄文遺跡から種が見つかる。シソは中医学で重要な薬草。エゴマも食べれば10年長生きできる食材とされ、「ジュウネン」の別名も。
  • 分類: シソ科 シソ属
  • 分布: 栽培

香りも滋養も優れた食材

セリ(芹)【学名】Oenanthe javanica

名の由来は「競り」、競い合うように生えることから。春の七草に数えられ早春から出回るが、最もおいしいのは春が深まった頃。都会近郊でも里山の少し湿った土地や田んぼの用水路などで野生種が見られる。
  • 分類: セリ科 セリ属
  • 分布: 日本全国

全草がおいしい山菜の定番

ウド(独活)【学名】Aralia cordata

生長すると草丈が大人の身長ほどになり、茎もかなり太くなる。ただ、大きくなりすぎると食材にならず、茎が柔らかくて材としても役に立たない。「ウドの大木」という慣用句は、そこから来ている。
  • 分類: ウコギ科 タラノキ属
  • 分布: 北海道、本州、四国、九州

味と機能性を備えた摘み草ハーブ

タンポポ(蒲公英)【学名】Taraxacum platycarpum(カントウタンポポ)

日本現存最古の平安時代の薬物辞典『本草和名』に「タナ」と表記され、"田の菜" つまり田んぼの畝などに生える野菜として活用されていたそう。実際に全世界で食材利用され、その薬効も知られる。
  • 分類: キク科 タンポポ属
  • 分布: 日本全国

島に暮らす人たちの長寿の秘訣

アシタバ(明日葉)【学名】Angelica keiskei

名の由来は、「夕方に葉を摘んでも明日には芽が出る」。伊豆諸島では「長寿草」などと呼ばれ、かつて八丈島に流刑(島流し)にされた罪人たちはアシタバを重要な栄養源とし、命をつないだ記録も残る。
  • 分類: セリ科 シシウド属
  • 分布: 伊豆諸島、伊豆半島

MACHI-SANPO:

綱島
東横線で渋谷から約20分。
かつて温泉街として栄えた綱島は、
いまなお当時の情緒が残るエリア。
街を象徴する老舗から新店舗まで、
この街で訪れたい名所をご紹介します。

綱島市民の森  
静かな住宅街に位置する
綱島のオアシス
綱島駅から北西へ徒歩10分。住宅地の高台に位置する「綱島市民の森」は、スギやヒノキなどの樹木が生い茂り、ここが街中にあるとは思えないほどの憩いの場所。さらに、野鳥をはじめ、小動物が多く存在しています。かつてこの地の特産だった桃にちなんで名づけられた「桃の里広場」には、晴れた日に美しい富士山を望める見晴らしの良い展望台も。
住所:横浜市港北区綱島台 電話:045-353-1166(北部公園緑地事務所)

MAP

らっきょ & Starラッキョ アンド スター
北海道・札幌の味を伝える
スープカレーのお店
札幌発祥のスープカレー店「らっきょ」の直営店。鶏ガラや豚骨などさまざまなだしとスパイスをじっくり煮込んだベースのスープに、可能な限り北海道の食材を使ったカレーは、横浜でも札幌と同様に安定したクオリティ。人気NO.1は、「季節野菜とチキンのスープカレー」。世界のビールやワインなどのお酒と、おつまみが充実しているディナーもおすすめ。
◯季節ごとの野菜と骨つきチキンを贅沢に味わえる「季節野菜とチキンのスープカレー」¥1,500。定番メニューのほかに、今月のカレーや季節限定メニューも。◯ヒューガルデンやバス ペールエールなどの世界のビールには、素材の味が濃い「北海道産愛別舞茸の天ぷら」(¥750)がぴったり。
住所:横浜市港北区綱島西1-2-9 電話:045-542-3939 営業時間:11:30~15:00/17:00~22:00 土・日・祝11:30~23:00 休:第2水 禁煙

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隠れ家甘味 風月堂カクレガカンミ フウゲツドウ
隠れ家のように佇む
150年の伝統を守る甘味処
門前の赤い傘が目印の「風月堂」は、昭和12年に移転して以来、街で愛され続ける老舗。"東の名人"と呼ばれた先代は、皇室にも和菓子を献上していたという職人。その味を引き継ぎ、毎朝丁寧に仕込むしっとり上品な甘さのあんこと、注文を受けてから茹でるというひと手間かけたもちもち食感の白玉は格別です。夏は黒蜜きなこやザクロなどのかき氷も人気。
◯潰し餡と茹でたての白玉、抹茶アイスクリームに、店で点てた抹茶をかけた濃厚な「抹茶白玉ぜんざい」¥650。◯みつ豆やフルーツがたくさん入った「白玉クリームあんみつ」(¥700)は、自家製の黒蜜をかけて。◯店内には創業時の看板も。運が良ければ看板犬のあんこちゃんが出迎えてくれます。
住所:横浜市港北区綱島西1-6-17 電話:045-531-0753 営業時間:12:00~19:00  休:不定休 禁煙

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京料理 福們キョウリョウリ フクモト
綱島で代々受け継がれる、
和のおもてなし
昭和26年創業。京都で修業を積んだ先代の技術を、「福們」の味として3代目が継承しています。先付から始まるおまかせコース料理や茶懐石のほかに、おすすめは、気軽に京料理を味わえるお昼限定「四季のお弁当」。鰹だしの繊細な味わいがベースになる、炊き合わせと15種ほどの手の込んだ料理が詰まったお弁当には、改めて日本の良さを感じるはずです。
◯一段一段お重を開ける度に歓喜してしまう"玉手箱"のような「四季のお弁当」(¥2,500)は、ご飯・椀もの・お造りとともに、旬の素材と季節の味覚を楽しめます。おまかせコース料理は、¥6,000~。◯食後は、自家製和菓子(抹茶つき¥650)で一服。月に3度、スタッフの小村好枝さんによる和菓子教室を開講しています。

住所:横浜市港北区綱島東1-7-17 電話:045-531-0130 営業時間:11:30~14:00/17:00~21:00 ※ディナータイムは要予約 休:日・祝 禁煙

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MISOYミソイ
味噌汁専門店が提案する
組み合わせ自在の和定食
昨年オープンした「ミソイ」は、種類豊富な味噌汁が気軽に食べられると話題の定食店。こだわりの味噌汁は、定番の豚汁からイタリアン味噌スープなどの変わり種まで、日替わりで5種類ほど展開します。長野産コシヒカリの白米と新潟産の五十穀米の2種類から選べるご飯や、20種類以上揃う自家製小鉢を自由に組み合わせれば、オリジナル定食が完成!
◯春雨とパクチー、ネギたっぷりの「アジア味噌ス ープ」(¥440)は、甘辛いタコキムチがアクセント。小鉢は「ミソ唐揚げ」(¥240)、「トマトの味噌漬け」(¥90)、「グリーンサラダ」(¥210)を。 ◯お湯を注ぐだけで味噌汁ができる「味噌玉」をテイクアウトに。1番人気は、桜海老とほうれん草が入った、白味噌の「彩り味噌玉」¥280。◯1階はカウンター席、2階はテーブル席も完備。
住所:横浜市港北区綱島東1-6-2 電話:045-642-5467 営業時間:10:00~23:00(日・祝~22:00) 休:不定休 禁煙

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グレーヌマルシェ綱島店  
旬の食材を取り入れた
本格ビストロを満喫
横浜・永島農園の「おひさま椎茸」をはじめ全国の契約農家から届く新鮮野菜と、旬の肉や魚を使ったダイナミックな料理が評判。手軽につまめるタパスは¥300~、生パスタは各¥890と、リーズナブルに味わえるのも魅力です。グラスワインは日替わりで9種類ほど。晴れた日は、ペット連れも可能なテラス席がおすすめです。月に1度の日曜マルシェでは、珍しい野菜に出合うことも!
◯肉のやわらかさを堪能できる、今が旬の「仔羊のロースト」¥2,200。ズッキーニやクレソンなどの野菜をたっぷりいただける「今日の直送サラダ」¥700。フランスを中心に、赤・白・スパークリングを幅広く揃えるワインは、グラス¥800~。◯一軒家を改装した温かみのある店内。


住所:横浜市港北区綱島西1-11-10 電話:045-541-8858 営業時間:11:30~14:30/17:00~23:30 休:無 テラス席のみ喫煙可
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Herriottエリオット
パリの街角を思わせる
フランス焼菓子店
アンティークのテーブルや棚に並べられたクラシックなフランスの焼菓子は、眺めるだけでも乙女心を刺激します。「特別なことは何もしていない」と語る、店主の梶川朋子さんが手作りするお菓子は、甘さ控えめの優しい味わい。その評判は、遠方からもお客さんが集まるほど。お菓子のような可愛らしいお料理が並ぶ、完全予約制のランチコース(¥1,700〜)も。
◯甘酸っぱい「シトロンタルト」(¥330)にはほろ苦いコーヒーがぴったり。◯カヌレやフロランタンなどはテイクアウトに。◯手書きラベルを貼った、3種のベリー(大¥650)や甘夏(小¥350)のコンフィチュールも自家製。◯やわらかな日が差し込む店内は8席ほどの小さな空間。イートインは予約がおすすめ。

住所:横浜市港北区大曽根2-52-14 電話:045-514-6085 営業時間:11:00~16:00 休:金~月 禁煙
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やきとり鳥郎ヤキトリトリロウ
地域住民にこよなく愛される
綱島の老舗
昭和40年頃創業。小さなカウンターと、つい長居したくなるお座敷が広がる店内は、初代の女将と2代目夫婦に加えて、孫たちも手伝うアットホームな雰囲気。ここの自慢は、焼き鳥はもちろん、鮮魚の煮つけやお造り、揚げ物、珍味など、酒好きの心を踊らせる豊富な肴。希少な銘酒を味わいにふらり立ち寄りたくなるこの街に欠かせない名店のひとつです。
◯春は、白魚のかき揚げ(¥750)、ホタルイカの沖漬け(¥500)、梅たたき(¥500)、定番の焼き鳥(¥100~)を。鹿児島の幻の芋焼酎「金計佐」(1杯¥500)は、あらかじめ好みの分量に割ったものを一晩寝かせてから飲む"前割り"が通好み。さらに、ホッピー発売55周年を記念して誕生した、通称「赤ホッピー」も。◯月に1度落語のイベントを開催。

住所:横浜市港北区大曽根2-43-25 電話:045-543-5008 営業時間:17:00~24:00 休:無 喫煙可
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ふきだし
ふきだし
選び抜かれたチーズとワイン、
至高のマリアージュ
NINE
 隠れ家のように落ち着いた「ナイン」は、高級ホテル「グランドハイアット東京」のイタリアンレストランで共に働いた西方亮さんと貫井昭洋さんが独立し、2年前にオープン。チーズプロフェッショナルとシニアソムリエの資格を持つオーナーの西方さんは、ヨーロッパを中心にチーズ約20種類を厳選し、〝ニューワールドワイン〞と呼ばれるオーストラリアやアメリカのワインを100種類以上セレクト。それぞれの組み合わせについて、「好みもありますが、チーズとワインの相性は、味の強さで決まります。たとえば塩味の強いブルーチーズには甘口の赤ワイン、フレッシュな酸味のチーズには爽やかなスパークリングワインを合わせると面白いです」と語ります。
 メインは、牛ハラミのなかでも希少な赤身である、サガリのグリル。調理について、「非常にやわらかいお肉なので、硬くなりすぎないよう、焼き加減はレアにこだわります。内臓に近い部分なので、野性味ある香りに好相性の、酸味のあるバルサミコソースを合わせます」と語るのは、シェフの貫井さん。
 ほぼ全員が注文するというラクレットチーズのひと皿も欠かせません。ほくほくのジャガイモと厚切りベーコンに溶け出した濃厚なチーズを、コク深い白ワインとともにご堪能ください。
  • ◯パルミジャーノ・レッジャーノで仕上げる「オーストラリア産牛サガリのグリル バルサミコソース」¥2,900。◯お客さんの目の前で熱々のチーズをたっぷりかける「ハイジのチーズ ラクレット メイクイーンと厚切りベーコンと共に」¥2,450。◯カウンター席、テーブル席、個室を完備。
ナイン
住所:横浜市港北区綱島西1-2-9 電話:045-717-5707 
営業時間:11:30~14:00/17:30~22:00(日~21:00) 休:月、第2日、第3火 禁煙

SWEETS:

  • 写真 = 星川洋嗣 スタイリング = 田口恵美 文 = chico
  • AmiCono JIYUGAOKA
  • 〔東横線、大井町線/自由が丘〕
  • ジェラート

ピュアな素材際立つ、無添加ジェラート

なんて鮮やかな味わいだろう。「AmiCono」のジェラートを口にすると、果物にかじりついている気分になった。「素材をダイレクトに表現できるのがジェラート。だから何を使うかが大切」と店主の井上舞子さん。ピュレを使えば手軽で原価も抑えられるが、作り手が見える果物やできるだけオーガニックの食材をセレクト。化学調味料は一切使わず、葛や寒天、山芋などをつなぎに滑らかに仕立てていく。フレッシュミントを1日半ミルクに漬けて香りを移した白いチョコミントは、いつものチョコミントと別格のそよ風のような清々しさ。無添加ローズにサフランがアクセントの「ペルスィアーモ」は井上さんの修業先、フィレンツェ「アンティカ ジェラテリア フィオレンティーナ」の師匠直伝。自然なアロマがなんとも心地いい。農薬や肥料に頼らない希少な自然栽培果物のものも並び、今なら愛知の野中さんの「希望のいちご」がジェラートに。香りに味わいに大地の力強さがみなぎっている!

MAP

  • ジェラートは日替わりで常時8種。瓶に詰めればギフトにぴったり。2種重ねるのもいい(¥1,700~/5人前500cc)。右上・フィオリ ディ ラテ(フレッシュミルク)とチョコラート、右下・白いチョコミントとピスタッキオ。カップは¥420~。左上から時計回りに、ヴィーガンノッチョーラ(ヘーゼルナッツ)、ペルスィアーモ、ヴィーガンキバナ(キウイバナナ)、希望のいちご、清見オレンジ。ヴィーガンでもちゃんと濃厚。妊婦さんやお子さんへの手土産にも最適(価格は税込)。
  • アミコーノ
    住所:世田谷区奥沢5-27-9
    電話:03-5755-5183
    営業時間:11:00~19:00
    休:火
    アクセス:自由が丘駅南口を出て、右手に50mほど直進する。ひとつ目の角を左折し、2分ほど直進した左手。自由が丘駅より徒歩2分。
  • chico ◉チコ
    スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。