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MAGAZINE:

  • SALUS
  • 9月号Vol.270 / Sep / 2023毎月20日発行
  • 特集:大人のイエナカ趣味
  • 今月の街さんぽ:元住吉
  • もらって嬉しい手土産スイーツ:THE LAB TOKYOTHE chocola 抹茶[東横線・大井町線/自由が丘]
  • 連載: 宇宙のカケラ/この街で、働く人たち/愛すべき、推したち

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記載されております内容につきまして、新型コロナウイルスの影響により、一部店舗・施設が営業中止・変更となっている可能性がございます。
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MACHI-SANPO:

元住吉
渋谷から横浜までを結ぶ東横線の中間にある元住吉。駅の東西には商店街が広がり多くの人々でにぎわうこの街の個性あふれる名店をご紹介します。

Gallery + Shop Loquatロクアット
暮らしに豊かさを提案する
住宅街の小さなギャラリー
ガラス作家の南宮智子さんが運営するギャラリー。器や花器、オーナメントなど、暮らしに寄り添うクラフト作品を展示・販売しています。オープン当初は友人の作家から、そして知人の作家へと少しずつコミュニティの輪を広げながら、ガラスを中心にさまざまなテクスチャーの作品を毎月紹介。展示ごとに空間の雰囲気がガラリと変わるのも、ここのおもしろいところ。
○南宮さんによるガラスブランド〈nangooGLASS〉の
「ピアス」(2個¥7,700)、「イヤーカフ」(¥5,500)。○ギャラリーは3坪ほどのスペース。○〈nangooGLASS〉の
「卓上モビール」(¥16,500~)には吊り下げタイプも。
○川沿いに広がる住宅街の一角に構えます。
住所:川崎市中原区木月住吉町15-50 ☎非公開 営業時間:11:00~17:00 休:不定休 ※営業日は展示に準ずる。詳細・お問い合わせはインスタグラム(@gallery_loquat)まで。
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やぶ久 
老舗のそば処で
小粋な“そば屋飲み”を堪能
商店街の喧騒から少し離れた場所にあるこちらは、1970年の創業から親子2代続く老舗。もともと近隣で始めたお店を、2003年に移転リニューアルしました。モダンな雰囲気の店内では、全国のそばの産地からその時最もよいものを使用した自家製そばだけでなく、「焼きみそ」や「だし巻き」「鶏の唐揚げ」など、厳選された日本酒と合うそば処ならではの肴も絶品。
○大ぶりの穴子半分を贅沢に使用した、名物の「活〆穴子天せいろ」(¥1,900)。○「焼きみそ」(¥700)、自家製ドレッシングの「トマトサラダ」(¥800)、「鶏の唐揚げ ゆず胡椒」(¥950)、生もと造りの日本酒「大七」(1合¥900~)。日本酒は8種揃えているほか、ビールや焼酎なども。○ゆったりとしたテーブル席の広い店内。
住所:川崎市中原区木月2-7-21 ☎044-433-5588 営業時間:11:30~14:10L.O./17:30~21:00L.O. 休:木
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Vertu 375ベルチュサンナナゴ
素材×素材の組み合わせを追求
サンドイッチが主役のベーカリー
2018年オープン。綱島街道沿いに構える店内には、あんパンやクリームパンなどお馴染みのパンは置かず、素材同士の組み合わせの妙を味わえるオリジナルのパンを中心に毎日50種ほどが並びます。なかでもおすすめは、強力粉とローストした全粒粉を独自ブレンドした軽い食感のリュスティックのサンドイッチ。パンに使われるフィリングやソースもすべて自家製にこだわります。
○「マカダミアミルクフランス」(¥259)は、コリコリとしたナッツの食感が新鮮。○常時8種ほど展開するリュスティックのサンドイッチで人気No.1の「生ハムとバター」、次いで人気の「大葉ソースのローストポーク」(共に¥454)。○店内には総菜パンだけでなく、カンパーニュやバゲット、食パンなどの食事パンも。9月には巨峰のクリームサンドが登場。○綱島街道沿いに構えるお店は駅から徒歩8分。
住所:川崎市中原区木月4-4-1 木月パレス102 ☎044-750-8063 営業時間:9:00~18:00 ※なくなり次第、終了 休:日・月
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木月キッチン 
無農薬玄米と季節野菜の定食
通いたくなる街の食堂
週2回オープンするお店では、山形・新庄産の無農薬玄米「さわのはな」と、近郊の生産者による季節の野菜をたっぷり取り入れた一汁六菜の定食を提供。化学調味料・添加物は使わず、ほとんどの調味料は、麹をはじめとする発酵食品を使って手作りしています。そんな自然派の食事は、思いのほか男性に評判なんだそう。お弁当のテイクアウト、ベジタリアン対応も可能。
○看板メニューの「木月キッチンプレート」(¥1,500)。内容は週替わりで、この週のメインは、ひよこ豆のコロッケ、鶏ミートボールと野菜の豆乳クリーム。「HAZY MANIAスペシャル クラフトビール」(¥600)。○シェフの時田正枝さん。水・木以外は、シェアキッチン・子ども食堂として営業。詳細は、HPにて随時公開。○おかか・昆布・鮭から2種選べる「おにぎり定食」(みそ汁付き¥1,500)。
住所:川崎市中原区木月2-3-15 ☎044-572-3214 営業時間:水17:00~20:30 木11:30~14:00/17:30~20:30 休:日・月・火・金・土

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台湾料理 美メイ
日本にいながら台湾気分
美さんの本格・台湾家庭料理
中華街「生福園」の姉妹店として創業したお店を、台東出身のオーナーシェフ李 茂美(り まおめい)さんの名前を冠した「美」として2011年に再スタート。ここでは、日本人の味覚に合わせることなく、現地から直輸入する香辛料や調味料を使った本場に忠実な家庭の味を提供しています。35種類もの漢方や紹興酒などのエキゾチックな香りが漂う美さんの料理はファンがいるほど人気。
○定番人気の「ルーロー飯+肉そぼろ麺」(¥1,298)は、週末のランチでも提供。「肉そぼろ麺」は、中華麺か春雨を選べます。○国産のかきと昭和菜を使った台湾を代表する「かきのお好み焼き」(¥1,000)、大ぶりなエビの「紹興酒としょうが煮付け」(¥1,000)、「台湾ビール」(¥660)。料理には、テーブルにある自家製ラー油をトッピングしても◎。○お店は、台湾と日本の国旗が目印。
住所:川崎市中原区木月1-33-21 ☎044-434-3423 営業時間:18:00~23:30 土・日12:00~14:30/18:00~23:30 休:月

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Malini South Indian & Fusionマリニ サウスインディアン&フュージョン
伝説的な南インド料理店の味を
気軽に元住吉で!
錦糸町にある有名な南インド料理店「ヴェヌス」のオーナーの甥で、長年お店に勤めていたシェフのナガラジャンクラマベルーさんが料理を手がけるダイニング。洗練された「ヴェヌス」のメニューも味もそのままに、元住吉でいただけるのが魅力です。ミールスはもちろん、スパイスがふんだんに使われた前菜には、インド料理に合わせて開発された日本酒「玉旭 ECHOES」をぜひ。
○珍しい三角形の「プレーンドーサ」(¥1,000)、スパイシーな炒め物「マトンチュッカ」(¥1,350)、スパイスに合う日本酒「玉旭 ECHOES」(グラス¥700)。○スペシャリテの「マリニミールス」(¥2,200)は、肉・魚のカレー3種、野菜カレー2種、ラッサムなどのセット。○チャイを淹れるスタッフのセドラマン ディビヤさん。
住所:川崎市中原区木月1-12-8 マリニ1階 ☎044-948-9276 営業時間:11:00~14:30L.O./17:00~21:30L.O. 休:無
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鶏太ケイタ
地鶏をシンプルに味わう
炭火焼き鳥が評判の人気酒場
連日常連客でにぎわう人気店。親鳥・若鳥・地鶏が使われる焼き鳥は、その日提供する分だけを手作業で串打ちして、部位ごとに火加減を変えながら備長炭で丁寧に焼き上げます。特に「信州黄金シャモ」は、歯応えとうま味のある深い味わいが魅力。気になるお酒は、1本売り切りの希少な日本酒も。日々研究しているからこそのおいしさと良心的な価格帯が人々に愛される理由です。
○まず味わってもらいたいのが「信州黄金シャモ3本セット」(¥800)、絶妙な食感の「半熟うずら串」
(¥240)、「大山どり」の「炙りトロレバー」(¥500)、
「鶏太サラダ」(¥880)。日本酒は、神奈川「川西屋酒造店」による「隆」(冷酒90ml¥500)。○〆には「特製! 中華そば」(¥980)。自家製スープ、重たくない全粒粉麺にお腹が落ち着きます。
住所:川崎市中原区木月3-6-18 元住吉コアビル2階 ☎044-863-7733 営業時間:17:00~23:00(金・土~24:00) 休:水(そのほか月2回不定休あり)
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Muiムイ
最高の1杯を気軽に味わえる
街のコーヒーショップ
名店「堀口珈琲」で焙煎・ブレンド責任者を務めた大沢征史さんが2013年にオープン。2016年、老子の「無為を為す」に由来する「Mui」へ店名を一新しました。創業からのスタンスは変わらず、世界の農園から選びぬかれた最高品質の豆を使い、自家焙煎したスペシャルティコーヒーを提供。さらに、ブレンド・シングルオリジン合わせて約15種も揃えるコーヒー豆の販売もしています。
○コーヒー豆のおすすめは、「コロンビア ディエゴ・ロペス」(200g¥1,944)、「エチオピア イルガチェフェ クレイウォット」(200g¥1,836)。入荷状況により在庫がないこともあります。○豆を選べる「ホットコーヒー」(¥605)、青森より取り寄せている「ジョージさんのチーズケーキ」(¥605)。この日のコーヒーは、ケーキに合わせてやや深煎りの「ケニア」を。
住所:川崎市中原区木月3-13-2 ☎044-767-1368 営業時間:10:00~19:00 休:火・水
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CERCHIAチェルキア
イタリアンの新星で
炭火焼き料理とワインを満喫
住宅街に佇むこちらは、都内のレストランで長年料理の技術を培ってきたシェフ加藤祐一さんと由美さん夫妻が2019年にオープン。自慢の炭火焼きをはじめ、トスカーナを中心にイタリア全土の料理を提供しています。3種ほど揃える自家製パスタのほか、1mm以下の薄さにスライスできるイタリア製生ハムスライサーにもこだわります。イタリアワインはボトル50種以上。
○イタリア「タマニーニ社」製の手動スライサー。○焼き加減が絶妙なメインの「和牛 ウチモモ 炭火焼き」(¥4,180)。○手打ちパスタの「和牛の赤ワイン煮込み ボロネーゼ タリアテッレ」(¥1,980)、「オーストリア産生ハム 14カ月熟成」(¥1,540)、ワイン(グラス¥825~、ボトル¥3,850~)。
住所:川崎市中原区井田杉山町29-7 レオ・シャローム1階 ☎044-571-8077 営業時間:11:30~13:30L.O./18:00~21:00L.O. ※木はディナーのみ営業 休:水
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ふきだし
ふきだし
クラシック・フレンチ、時々“自由な料理”
Epic restaurant
 小さな飲食店が並ぶ一角にあるこちらはオーナーシェフ小林良平さんが夫妻で営むお店。小林さんは18歳からフレンチの道へ進み、今はなき表参道「イル・ドフランス」や、「シカダ」など名店を渡り歩くなかで地中海料理やイタリアンなどさまざまな技術を培って地元・元住吉で2021年に独立しました。
 「うちはフレンチでもビストロでもないんです。料理の基本はフレンチの古典ですが、全体のジャンルを決めていません。だから店名は英語で『エピック』にしました」。そう小林さんが話す通り、メニューはフレンチもあればパスタもあり、そんなアラカルトから前菜と魚・肉料理、パスタなどを組み合わせた「おまかせコース」は取り分けていただくユニークなスタイル。
 看板メニューの「骨付仔羊のロースト」は、骨・脂付きの背肉を使い、脂質を落としながら低温調理のようにじっくり40分火を入れます。料理について小林さんは、「基本的には手をかけたフランス家庭料理ですが、夏はタパスやポキなども提供します。素材から料理を考えたり、素材の状態によって加熱温度や油分、香草を変えてみたり、最善な調理法を選んでいます」。
 確かな料理の腕前と自由な発想が生むメニューを毎回楽しみにしたくなる、とっておきのレストランです。
  • ○2名~の「おまかせコース」(1名¥6,800)よりメイン「骨付仔羊のロースト ジュ・ダニョー 季節野菜」。フランス産中心のワイン(グラス¥990~、ボトル¥4,400~)。○コース前菜の一例で「雲丹のコンソメジュレ寄せ カリフラワーのピュレ」。○店内はカウンター席のほかテーブル席も。席数に限りがあるため当日でもお電話を。
エピック レストラン 
住所:川崎市中原区木月1-24-24 ☎044-948-6951 営業時間:18:00~23:00 
土・日・祝日17:30~22:30 休:月(そのほか月2回不定休あり) MAP

SWEETS:

  • 撮影=星川洋嗣 スタイリング = 田口恵美 文 = chico
  • THE LAB TOKYO
  • 〔東横線・大井町線/自由が丘〕
  • THE chocola 抹茶

茶の香わき立つ、雲食感のガトーショコラ

 口にするとふんわり軽くほどけて、チョコレートの雲を食べているよう。そこに茶の香りが重なると、茶せんでたてた、まろやかに泡立つ抹茶をいただいている気分になった。ガトーショコラの常識を覆す「THE chocola」のエアリーさは、「混ぜる速度などを工夫して限界まで泡立てた、超微粒子のメレンゲで生み出しました」と、「THE LAB TOKYO」オーナーシェフ、澤田明男さん。新作の主役は、うま味とコクを醸す深蒸し製法で仕上げた西尾の抹茶。3カ所の茶園で採れた3品種(さみどり、おくみどり、やぶきた)をブレンドすることで、茶の奥行きをより深めてみせた。一般的には180℃で40分ほどのところを115℃の低温でじっくり焼き上げることで、あえて半生に。舌にとろりと長くとどまるから、抹茶が一層濃厚に、生き生きと萌える香りを放ち出す。心地よい苦味と香り、そして軽さが夏にぴったりなのもまた、ガトーショコラの常識を見事に覆すのだった。

7月からスタートした新作、「THE chocola 抹茶」1本¥4,800。グルテンフリーかつ白砂糖不使用なのも嬉しい。

  • THE LAB TOKYO(ザ ラボ トウキョウ) 
    住所:目黒区自由が丘2-9-8        
    ☎03-4500-1534
    営業時間:11:00~17:00
    休:水・木
    自由が丘駅より徒歩2分
    ※掲載商品は、www.the-chocola.com/shopでも販売
  • chico ◉チコ
    スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。