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MAGAZINE:

  • SALUS
  • 8月号Vol.245 / Aug / 2021毎月20日発行
  • 特集:夏の揚げ物レシピ
  • 今月の街さんぽ:代官山
  • もらって嬉しい手土産スイーツ:喫茶ベレー髷ようかん〔池上線/戸越銀座、目黒線/不動前・武蔵小山〕
  • 連載: 宇宙のカケラ/この街で、働く人たち/愛すべき、推したち

INFORMATION:

記載されております内容につきまして、新型コロナウイルスの影響により、一部店舗・施設が営業中止・変更となっている可能性がございます。
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2021/7/20:
SALUS8月号を発行しました。
2021/6/20:
お詫びと訂正:SALUS7月号の誤りについて
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SALUS7月号を発行しました。
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SHOP:

名物フライ&天ぷらが食べたい!

気軽なランチスポットからちょっぴりぜいたくなディナーまで、
1人でも入りやすいおすすめの専門店を紹介します!

※WEBには誌面で紹介した情報の一部を掲載しています。

昔懐かしい名店の洋食を味わう

センターグリル◎みなとみらい線/馬車道

recommend
海老、カキ、白身魚の「シーフードミックスフライ」¥1,170(ライス付き)。銀のプレートも創業時のまま。

  • 住所:横浜市中区花咲町1-9
  • ☎045-241-7327
  • 営業時間:11:00~20:00 ※変更の可能性あり
  • 休:月(祝日の場合は営業)
  • 馬車道駅より徒歩7分

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いくらでも食べられる自慢のとりかつ

とりかつ CHICKEN◎東横線・田園都市線/渋谷

recommend
とりかつ、ハムかつ、コロッケにご飯とみそ汁が付く「人気定食」¥700。昔ながらの佇まいの貴重な店。女性1人での来店も多いそう。

  • 住所:渋谷区道玄坂2-16-1 都路ビル2階
  • ☎03-3461-0298
  • 営業時間:11:00~20:00(L.O.)※変更の可能性あり
  • 休:日
  • 渋谷駅より徒歩4分

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やわらかジューシーなカツが人気

カレーハウス KEN◎田園都市線/青葉台

recommend
カツカレー¥750。地元の人にリーズナブルに提供したいと、創業時から価格はほぼ変わらず。カレーの辛さは3段階から選べます。

  • 住所:横浜市青葉区つつじが丘10-18
  • ☎045-982-6266
  • 営業時間:11:30~14:30(14:00L.O.)
  • 休:月・火(祝日の場合は営業)
  • 青葉台駅より徒歩5分

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落ち着いた空間でこだわりの天ぷらを堪能

天ぷら ふく西 禅と匠◎みなとみらい線/みなとみらい

recommend
1日限定6食の「江戸前穴子天丼」¥2,400(サラダ、赤だし、お新香付き)。
 

  • 住所:横浜市西区みなとみらい4-6-2 グランドセントラルテラス201
  • ☎045-641-2924
  • 営業時間:11:30~15:00(カウンター14:00/テーブル14:30L.O.)、17:00~23:00(カウンター20:30/テーブル21:00L.O.)※変更の可能性あり
  • 休:不定休
  • みなとみらい駅より徒歩3分

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米粉を使ったヘルシーな天丼を

天義 てんよし◎東横線/学芸大学

recommend
大海老1本、美桜鶏2枚、きす、いか、季節の野菜がぜいたくに入った「鷹番丼」¥1,200(みそ汁、お新香付き)。1日10食限定。

  • 住所:目黒区鷹番2-15-22
  • ☎03-6303-3593
  • 営業時間:11:30~14:30(売り切れ次第終了)、18:00~21:00(予約制で2組限定)
  • 休:水・木
  • 学芸大学駅より徒歩5分

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最高級のごま油が香る天ぷら

天冨良 むら田◎目黒線/不動前

recommend
海老2本、いか、なす、三つ葉が入った天丼¥1,650はランチ限定メニュー。「おいしく揚げるコツは真心を込めること」と店主。

  • 住所:品川区小山台1-33-9 トップ不動前1階
  • ☎03-3495-1478
  • 営業時間:11:30~14:30(14:00L.O.)、17:30~19:00 ※変更の可能性あり
  • 休:月・火・金
  • 不動前駅より徒歩6分

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MACHI-SANPO:

代官山
渋谷と中目黒に隣接する、ファッションタウン・代官山。大型書店をはじめ、洗練されたセレクトショップやカフェなどが集い、最新のトレンドが生まれるこの街で気になるスポットをご紹介します。

PIZZA SLICEピザ スライス
ニューヨークスタイルのピザを広めた
人気店の1号店!
白いタイルを基調にしたスタイリッシュな店内では、カウンター越しの大きなオーブンで焼き上げるピザを1ピースずつスライス売りで販売。そんなアメリカンスタイルが受けて、今では都内4店舗展開するほどの人気店に。ピザは、NYらしい薄めのクラシックなスライスが常時8種。「ペパロニスライス」「ハラペーニョスライス」など本場の味をワンコインほどでいただけるのも嬉しいポイントです。
○手前は定番「ペパロニスライス」(¥550)、奥はこの日チョリソーとハラペーニョの「トゥデイズスライス」(¥605)。ピザにはお店で手作りする自慢の「ホームメイドレモネード」(¥550)が◎。店内にはレッドペッパーやオレガノなどのスパイスも。○ショーケースに並んだホールピザ。オーダーごとにスライスを温めて提供しています。
住所:渋谷区猿楽町1-3 代官山上新ビル1階 ☎03-5428-5166 営業時間:11:30〜23:00 休:不定休
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HAVE MORE CURRYハブモアカレー
巧みなスパイス料理を味わえる
表参道の名店が代官山に
名店「curry草枕」出身の松崎洋平さんのお店が今年3月代官山に移転オープン。カレーといえばスパイスの華やかさが印象的な食べ物ですが、「野菜をスパイスで食べてほしい」との思いで作るカレーは、農家から直送される野菜の苦味や甘味などを引き出した「スパイス料理」に近い感覚。さらに、お酒に合うアラカルトも揃えた新生「ハブモアカレー」へぜひ足を運んでみてください。
○定番の「チキンカレーと豆カレーセット」(¥1,100)。そのほかベジタリアン対応のベジカレーセットも。カルダモン独特の風味がクセになる「黒カルダモンのジュース」(¥550)。○ディナーのアラカルト。手前から時計回りに、「イワシのパイ包み焼き」(¥850)、「グリッツと蒸し野菜」(¥550)、「山口萩ビール」醸造のペールエール「チョンマゲビール」(¥600)、「レイトナイトポテト」(¥600)。
住所:渋谷区猿楽町2-13 F93 Daikanyama 1階 ☎03-6416-1099 営業時間:11:30〜21:00L.O. 休:無
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SAL Y AMORサル イ アモール
日本とスペインの架け橋となる
スペインのお米料理専門店
パエリアをはじめ、日本では珍しい雑炊「カルデロ」「カルドソ」などを提供するアロセリア(お米料理専門店)として2012年にオープン。日本の食に欠かせないお米にフォーカスした数々の料理には山形産「はえぬき米」を使用。さらに、味の決め手となるスペインのスパイスや調味料を除いて新鮮な魚介や野菜などの食材も国内で仕入れます。『ミシュランガイド』の「ビブグルマン」掲載の名店。
○魚介のだしにスペインから取り寄せたスパイスをブレンドして炊き上げる、名物の「魚介のパエリア」(¥3,700)。 お持ち帰りもできます。○メインはカタルーニャの郷土料理「ウサギのオーブン焼き アイオリソース」(¥2,600)。 淡白な味わいのウサギ肉とマイルドなソースが絶妙です。前菜の「山羊チーズとブルーベリーソースのサラダ」(¥1,600)、スペイン産白ワイン(グラス¥700〜)。

住所:渋谷区代官山町12-19 第3横芝ビルB1階 ☎03-5428-6488 営業時間:11:50〜15:00/17:00〜22:00L.O. 土・日・祝11:50〜14:00L.O./17:00〜21:00L.O. 休:無
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Vini viniヴィニヴィニ
1点1点にこだわりと遊び心を感じる
ヴィンテージのセレクトショップ
1995年オープン。2018年より自然光が差し込むビル3階に移転したお店には、オーナーの審美眼で海外から買い付ける1950年代から1980年代までを中心としたヴィンテージウェアが並びます。デザイナーズのほか通常のものも取り扱うここの魅力は、状態のよさと日本人に合うサイズ感。 実際に見て、触って、よさを実感できるものとの出合いを楽しめます。近隣には姉妹店「ヴィニヴィニ リュクス」も。
○遊び心のあるディスプレーにもセンスを感じます。すべて1点ものなので、一期一会があるとラッキー。○店内中央のテーブルにはベルトやスカーフなどの小物類。ラックにはジャケットやドレス、パンツなどの衣類が並びます。○年代もののスカーフは、〈エルメス〉 や〈ディオール〉〈セリーヌ〉など(¥20,000〜¥40,000)。○状態のよいデザイナーズバッグはオープンから根強い人気。
住所:渋谷区代官山町12-19 第3横芝ビル3階 ☎03-3477-7378 営業時間:12:00〜19:00 休:不定休

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GARDEN HOUSE CRAFTSガーデンハウス クラフツ
開放感あふれるベーカリーカフェで
厳選素材で作る、できたてのパンを
人気レストラン「ガーデンハウス鎌倉」のベーカリーカフェとして「ログロード代官山」にオープン。鎌倉のガーデンテラス席の雰囲気をそのままに、開放的なテラス席が広がるお店では、国産小麦や自家製酵母などにこだわったパンをテイクアウトできるほか朝8時半からのモーニングやプレートランチなども提供しています。また、「ミーガン バー&パティスリー」のベイクドスイーツも豊富でカフェタイムにも◎。
○夏限定「ラベンダーカンパーニュ」(ハーフ¥756)、「シナモンパン」(¥422)、「クイニーアマン」(¥324)。パンはすべてテイクアウト価格。○手前から、厚切りベーコンと半熟卵をのせた定番「ガーデナーズサラダ 自家製シーザードレッシング」(パン付き¥1,265)、セットドリンクの「アイスラテ」(+¥385)、カンパーニュにアボカドとハーブのディップを塗った爽やかな「アボカドタルティーヌ」(スープ付き¥1,320)。
住所:渋谷区代官山町13-1 LOG ROAD DAIKANYAMA5号棟 ☎03-6452-5200 営業時間:8:30〜18:00(フード17:00L.O.、ドリンク17:30L.O.) 土・日・ 祝8:30〜20:00(フード19:00L.O.、ドリンク19:30L.O.) 休:無

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falòファロ
食のエンタメを体験できる
絶品の炭火焼き料理
店名はイタリア語で「焚き火」の意味。調理場を囲うようにカウンターを設えたモダンな店内では、中央の炭火台でライブ感たっぷりにオーナーシェフの樫村仁尊さんが料理に腕を振るいます。樫村さんは、イタリアで修業を積んだ後、名店「アクアパッツァ」で料理長を経験。オープン当初から提供する「ポルケッタ」は、銘柄豚に秘伝のスパイスを練り込んで焼いた自慢のメニューです。
○手前から、「塊で焼いたポルケッタ」(1カット¥2,800)。お店のEC サイトからお取り寄せもできます。驚くほど分厚い「初カツオの藁焼き フレッシュトマトのソース」(¥1,900)、イタリア産中心のワイン(グラス¥700〜)。○「イノシシのサラダ」(¥1,950)は特有の臭みがなく丁寧な仕事ぶりが光る一品。○炭火台の樫村さん。ダイナミックな炎を上げる藁の音と香りに、味への期待がふくらみます。
住所:渋谷区代官山町14-10 LUZ代官山B1階 ☎03-6455-0206 営業時間:17:00〜23:00(21:00L.O.) 土・日・祝15:00〜22:00(20:00L.O.) 休:木(そのほか不定休あり)
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夕星ユウヅツ
職人が追求した手打ちそばの美味
夏季は限定の冷やかけそばも
2019年オープン。豊富なお品書きのそばは、主に「常陸秋そば」を使った石臼挽きの生粉打ちで、もりそばと粗挽きの2種から選べます。十割でありながらのどごしのよい細麺が特徴で、カツオやサバ、焼アゴなどさまざまな素材による合わせだしをベースにしたつゆと絶妙なバランス。そばだけでなく、和×洋を楽しめるコースにも注目です。フレンチの名店「レザンファン ギャテ」とは姉妹店。
○コース(¥3,800〜)の一例。「レザンファンギャテ特製フォアグラの三五八テリーヌ」と季節の「前菜三種」。日本酒(半合グラス¥600〜)のほかに焼酎やワインなども。○夏季限定「京鴨とおろし実山椒の冷やかけそば」(¥2,800)。そばのお品書きは全部で40ほどあり、夏季限定のものは 9月まで。○暑い日の食欲をそそる夏季限定「トマトと野菜のジュレの冷やかけそば」(¥1,900)。
住所:渋谷区恵比寿西1-30-13 グリーンヒル代官山1階 ☎03-6455-1200 営業時間:11:30〜20:30L.O. 休:月(月が祝の場合、翌日休)
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Tempura Motoyoshi いもテンプラ モトヨシ イモ
“丸十”の魅力を再発見。
名店の味がスイーツに!
南青山「天ぷら元吉」が、「丸十の魅力を知ってもらいたい」という思いのもとテイクアウトのスイーツ店をオープン。丸十とは、天ぷら店の隠語で、薩摩藩主・島津家の家紋にちなんで呼称されるようになったさつま芋のこと。お店では、茨城「鹿吉」の品種「シルクスイート」を使った天ぷら「丸十」とソフトクリーム「塩そふと丸十」を提供しています。走り、旬、名残、季節ごとの味わいを感じてみませんか?
○菜種油とコーン油、玉絞りごま油をブレンドした本店同様の油を使い、特殊技術で揚げる「丸十」(¥500)。手みやげにも(ハーフ6本箱入り¥1,820、5本箱入り¥2,700)。○人気No.1の「塩そふと丸十」(コーン・カップ各¥650)は、能登の塩を練り込んだ爽やかな風味のソフトクリームに丸十と天かすをトッピング。試行錯誤の末に生まれた一品です。
住所:渋谷区代官山町20-6-A ☎03-6455-2240 営業時間:12:00〜16:30 休:月
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旧朝倉家住宅 
古きよき大正ロマンを今に残す、
政治家・朝倉虎治郎の邸宅
かつて東京都と渋谷区議会の議長を歴任した朝倉虎治郎の住宅として1919年に竣工し、今では重要文化財に指定される歴史的建造物。屋敷は瓦ぶき屋根の木造2階建て、ほぼ全室が畳敷きという大正の趣が顕著に表れた建物で、敷地内の回遊式庭園では、点在する石灯籠とともに春はツツジ、秋は紅葉など自然の美しい景観を楽しむことができます。ゆっくり見学するなら1時間は必要。
○見事な回遊式庭園。崖線という特有の地形をうまく取り入れています。○西側にある「杉の間」は、数奇屋風書院造り を取り入れた座敷で、遊び心ある柱の「板目」に注目。○主屋2階の広間。天袋・地袋の「扇面図」は、100年経った今なお当時の状態で保存されています。○旧朝倉家住宅、主屋東側の来客用玄関。南側に応接間や広間など公の場、北側の一角に家族との住まいを構えた主屋は広さ約570平米ほど。
住所:渋谷区猿楽町29-20 ☎03-3476-1021 営業時間:10:00〜18:00 (入館は17:30まで)※11月〜2月は10:00〜16:30(入館は 16:00まで) 休:月(祝の場合、翌日休)、年末年始(12月29日〜1月3日) 料金:一般¥100、小中学生¥50ほか
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ふきだし
ふきだし
上質だからこそシンプルに味わう、焼肉と韓国料理
焼肉 鉢山
 このエリアで知られる名店「焼肉 鉢山」。もともとオーナー李 日生(リー ハルキ)さんの親である先代が創業した焼肉店を、主に黒毛和牛を扱うお店として2004年にリニューアルしました。李さん曰く、「お正月だけしか食べられなかった実家のステーキが本当においしくて。同じものをほかのお店では食べたことがありませんでした。鉢山町でお店をやるんだったら、そういう本当によいものを適正な価格帯で提供したかったんです」。
 ここで提供される黒毛和牛はそんな記憶に残る味と同じ品質のもの。今でこそ複数の業者からよいものを仕入れることができますが、その背景を李さんはこう語ります。「黒毛和牛を扱うのは簡単ではなくて、開店当初は取引先が1つしかなかったんです。お店の評判が上がってくると少しずつ業者から声がかかるようになりました。そのくらい時間がかかることなんです」。
 長年の努力が実りようやく手に入れた最高級の黒毛和牛、この日のヒレは群馬県産。ヒレといっても、まるで赤身とは思えないほど細やかなサシが見事です。「素材の味がしっかりしているので、焦がさないように。最初は何もつけずに肉の味を楽しんで」と李さん。特別な日は、ナムル・キムチ盛り合わせ、焼肉、コムタンなどのコース(¥5,500〜)もおすすめです。
  • ○「本日の黒毛和牛ヒレ」(120g¥6,000)は、李さんの母直伝の特製だれ「ニラジャン」でぜひ。季節野菜で作るサービスの「ナムル盛り合わせ」、ワイン(グラス¥1,400〜)。○特製テールスープ「コムタン〈白〉・〈赤〉」(各¥1,300)。牛4頭分のテールを一度に煮込んだコクが格別。○肉の品質が伝わるような明るい店内(2階)。1階には個室も。
住所:渋谷区鉢山町2-7 ☎03-6416-9429 
営業時間:17:00〜23:00L.O. 休:無
MAP

SWEETS:

  • 写真 = 星川洋嗣 スタイリング = 田口恵美 文 = chico
  • 喫茶ベレー
  • 〔池上線/戸越銀座、目黒線/不動前、武蔵小山〕
  • 髷ようかん

口溶けと小豆の香りに溺れる、はかない水羊羹

 「喫茶ベレー」は全国のゴーラー(かき氷マニア)憧れのかき氷屋として知られるが、甘味の店としても人気。とりわけ水羊羹「髷ようかん」にはファンも多い。水羊羹は店主・秋山祥子さんの故郷、日光の名物。「本来冬の食べ物で、こたつで楽しむのが好きでした。東京では冬に見ないので年中水羊羹がある店にしたかったんです」。全長23cmの水羊羹は盛り付け困難なほどやわらか。上品なものを豪快に楽しんでと、秋山さんは夢の「スプーンで独り占め」を推奨(もちろん取り分けても)。堅苦しさなしで和菓子の楽しみに突き進む。ふるふる揺れる一片は舌の上で、瞬時にすっと冷やし汁粉になるほど繊細。この口溶けを追って、北海道産小豆の香りが生きる水を探し、グラニュー糖でもう一口といきたくなる甘さに仕上げた。寒天は分離しないギリギリの、当初の半量まで減らしたという。はかなく消えた後もピ ュアな小豆の香りが残り、幸せな食後感はいつまでも続いていた。

このテクスチャーと味わいを求めて試行錯誤を重ね、5年で10変化以上して今作に至るとか。「髷ようかん」¥2,000。名前の由来でもある、まさに髷のように羊羹がのるかき氷「かき氷 髷ミルク」や、酒粕アイスに羊羹をのせた「OKAPPA」サンデー、「水ようかん抹茶ラテ」など、髷ようかんアレンジメニューも揃う。

  • 喫茶ベレー
    住所:品川区荏原1-7-12コーポサンフラワー102
    ☎非公開
    営業時間:12:00~18:00
    休:不定休(SNSで要確認)

    アクセス:戸越銀座駅の五反田方面出口を出て、戸越銀座通りを進む。2つ目の角を右折し、2分ほど直進。交差点「星薬大前」 を渡り、1つ目の角を右折。 旧中原街道に入り、1つ目の角を左折する。2分ほど直進し、1つ目の角を右折。1分ほど進み、1つ目の角を左折。すぐに1つ目の角を右折。30秒ほど直進し、1つ目の角を左折した前方右手。戸越銀座駅より徒歩10分。
  • chico ◉チコ
    スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。