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MAGAZINE:

  • SALUS
  • 11月号Vol.248 / Nov / 2021毎月20日発行

INFORMATION:

記載されております内容につきまして、新型コロナウイルスの影響により、一部店舗・施設が営業中止・変更となっている可能性がございます。
お出かけの際は記載されているお問い合わせ先にご確認をお願い致します。

2021/10/20:
SALUS11月号を発行しました。
2021/9/20:
SALUS10月号を発行しました。
2021/8/20:
SALUS9月号を発行しました。
2021/7/20:
SALUS8月号を発行しました。
2021/6/20:
お詫びと訂正:SALUS7月号の誤りについて

MACHI-SANPO:

世田谷・上町
世田谷区のほぼ中央に位置する、世田谷線の世田谷・上町。年2回の「ボロ市」で知られ、昔ながらの街並みには新旧のお店が立ち並ぶ、ローカル感あふれるこのエリアの魅力を探ります。

うろこ雲 
旬の肴と酒を味わえる
行きつけにしたい世田谷の割烹
駅からほど近い、カウンターが中心の小さな割烹。大将の稲村卓也さん曰く「味が濃くておいしい」 という鹿児島・志布志湾から直送される天然物の魚介をはじめ、自ら市場で仕入れる旬の食材を使った一品料理を提供しています。素材の味を生かすために調理法は至ってシンプル。かき 揚げや煮付けなど親しみやすい献立と、女性ひとりでも利用できる居心地のよさが魅力です。
○季節により果物が変わる、名物の「生ハムとブドウのマスカルポーネ白和え」(¥800)。金継ぎが美しい器にも和の心を感じます。○旬の魚介6〜7種の「刺身盛り合わせ」(1人前¥1,450〜)は、この日、鹿児島のヤガラやハマアラ、地タコなど。削りたてのかつお節が香る「冷やし焼き茄子」(¥490)は秋の定番。稀少な銘柄が揃う日本酒は¥750〜。
住所:世田谷区世田谷1-15-12 ☎03-6338-3935 営業時間:17:00〜24:00 休:日、祝日の月
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PEGO&CO.世田谷店ペゴアンコ
オリジナルのソフトクリームと
手作りあんこの専門店が世田谷に!
上町「PEGO本店」に次ぐ2号店が、世田谷駅に2020年オープン。本店同様のソフトクリームに加えて、ここでは、八ヶ岳のジャージーミルクと北海道濃縮ミルクをブレンドしたオリジナルのソフトクリームにも注目。甘さ控えめ後味さっぱりの味わいは、北海道産小豆にこだわり、丹精込めて練り上げたあんこと相性抜群です。あんこは定番5種のほか季節ものも。
○定番人気の「グラノーラPEGOカップ」(¥550)は、 ソフトクリームに選べるあんこと自家製のグラノーラをトッピング。そのほか、グラノーラの代わりに白玉をトッピングした「白玉PEGOカップ」、「あんこソフト」なども。○季節限定のおはぎは、つぶしあん、塩こしあん、黒こしあん、みそあん、抹茶あん、季節のほうじ茶あん。あんこは量り売り(100g¥220〜)も可能。
住所:世田谷区世田谷1-16-24 榎本ビル1階 ☎03-6432-6643 営業時間:10:00〜19:00 休: 月
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BISTRO MODESTE LUXEビストロ モデスト リュクス
有機野菜や旬の魚介
厳選した食材をワインとともに
世田谷通りに佇む隠れ家ビストロ。カウンターのみの店内では、都内の星付きレストランで料理の研鑽を重ねてきたシェフ岩本 顕さんが腕を振るうフレンチをコース・アラカルトで提供 しています。契約農家から直送される有機野菜をはじめ、旬の魚介や厳選した肉などの食材、素材の個性を引き出した調理法にこだわりながらも肩肘張らずにいただけるのがポイント。
○手前から、ジューシーでやわらかいメインの 「ニュージーランド産ラムチョップ」(¥2,948)、 野菜の味を生かした「前菜3種盛り合わせ」(1人前¥1,650)、ワイン(グラス¥748〜)。○ランチのおすすめは「特製やわらかローストビーフ丼」(単品¥1,100)。+¥308で、サラダ、本日のスープ、ドリンクなどが付いたサービスセットにも。テイクアウトも可能。

住所:世田谷区世田谷1-16-14 エストIJ 1階 ☎03-5799-7823 営業時間:11:45〜14:00/18:00〜22:00L.O. ※ランチは、月、金〜日のみ営業 休:水、第3木(そのほか不定休あり)
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HOUSE OF FER TRAVAILハウス オブ フェール トラヴァイユ
使い勝手のよさがそのままデザインに。
インダストリアル家具の魅力
彫刻家のアトリエだった建物を改装したショップでは、フランスを中心に、1920〜60年代の工場や学校などで使われてきたインテリアを販売。オーナー森川竜也さんの審美眼で買い付けられたアイテムは、自らがメンテナンスから販売までを丁寧に行います。デザインをはじめ鉄や木の風合いなど、森川さんのストーリーに耳を傾けると、より一層古物への愛着がわくはず。
○自然光が差し込む開放的な店内。テーブルやいす、照明などがずらりと並びます。○古物のほかに、1933年フランスで誕生したデザインを復刻したオリジナルの「ニコルチェアー」(NC-45¥46,200)も。○収納棚や時計、グリーンなど小物も充実。○メンテナンスを行う作業場の様子。商品はお店のEC サイトでも販売しています。
住所:世田谷区世田谷1-20-10 ☎03-5477-6730 営業時間:13:00〜19:00 休:月

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CAFÉ JASKÓLKAカフェ ヤスクーカ
自家焙煎コーヒーと焼き菓子
喫茶店のように落ち着ける場所
今年3月オープン。小説『ワルシャワの燕たち』に感銘を受けて名付けられた店名は、ポーランド語で「ツバメ」の意味。昔ながらの喫茶店を目指したというお店は、ゆったりとしたソファと本棚があり、長居したくなるほど落ち着いた空間が広がります。16種ものコーヒーに使う豆は、その都度気になるものを仕入れて自家焙煎。平日は朝8時半から営業しています。
○コーヒーは、1杯ずつハンドドリップで丁寧に抽出。○クリアな酸味が特徴の中深煎り「ヤスクーカ ブレンド」(S¥550)、イタリア伝統のチョコレートケーキ「トルタ・カプレーゼ」(¥520)、濃厚な「ピスタチオのチーズケーキ」(¥680)。○ディナーのおすすめは、マルゲリータをベースにした「生ハムとグラナパダーノのピッツァ」(¥1,100)、ワイン(グラス¥500〜)。
住所:世田谷区世田谷1-28-12 ☎03-5799-6497 営業時間:8:30〜21:30L.O.(土・日・祝10:00〜) 休:水

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工芸喜頓コウゲイ キートン
手仕事のよさをあらためて知る
美しい、民芸の器
上町駅から徒歩5分、世田谷通り沿いに構える民芸品のお店。北は東北から、南は沖縄まで、日本全国の窯元やガラス工房、木工作家などによる器を中心に取り扱っています。なかでも、伝統工芸品としても認められている沖縄「読谷山焼北窯(よみたんそんやきたがま)」、練り上げという技法を用いた掛谷康樹さんの焼き物が豊富。カタチや模様、手触りなど、手仕事のぬくもりを感じられる器は、日常を豊かにしてくれるはず。
○店内は、大きな扉窓から差し込む自然光で商品を選べるように設計されています。○ 「読谷山焼北窯」松田共司さんの「急須」(¥6,490)は、ダイナミックな絵付けが魅力。商品は、お店のECサイト「日々の暮らし」でも販売しています。○「惣堂窯」 掛谷康樹さんの「練上正角盛皿」(¥6,600)は、どんな料理にも合う使い勝手のよさが◎。
住所:世田谷区世田谷1-48-10 ☎03-6805-3737 営業時間:13:00〜18:00 休:日・月・火・祝
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CAMELキャメル
デザイン事務所が始めた
“胡麻キーマカレー”のお店
今年5月オープン。もとは間借りでカレーを提供することから始め、デザイン事務所に併設するかたちで実現した店舗です。ここで提供するのは、スパイスを炒る時からごま油を使う「胡麻キーマ」。しそやみょうが、大根などトッピングの和野菜とも絶妙な組み合わせです。スリランカの建築家ジェフリー・バワに感銘を受けて設計された店内は、ホテルのラウンジを彷彿とさせるカウンター5席のみ。
○新作の「グリルナスと大根おろしのキーマ」(¥1,300)もおすすめ。カレーはテイクアウトできます。○最初にオーダーするなら、看板メニューの「薬味キーマ」(¥1,450)を。「自家製マンゴーラッシー」(¥600)。カレーとドリンクのセットで、—¥100になります。○重厚感がありながらもリラックスできる店内。カウンターには、建築家ピエール・ジャンヌレの「イージーチェア」。
住所:世田谷区世田谷2-24-5 ☎03-6432-6291 営業時間:11:30〜14:30L.O.(テイクアウトのみ〜19:00) ※ディナーの営業はSNSにて公開 休:日・月・火
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Raven’s Tableレイブンズテーブル
技術とアイデアが詰まった
1坪ベーカリー
「レイブン」が英語で「ワタリガラス」を意味する通り、アーティストから転身したシェフの加藤千裕さんのお店。加藤さんは、「ジョエル・ロブション」でブランド初の女性ベイカーを務めた実力派。食感や口どけなど、パンによって使い分ける小麦は全9種。なかでも全粒粉「チクゴイ ズミ」にこだわり、その週使う分だけを製粉しているからこそ、小麦の香りが生きた唯一無二のパンの味を作ります。
○小ぢんまりとした店内は対面式カウンター。総菜パンはフィリングも自家製。○左上から、季節によって食材が変わる「バインミー」(¥691)、水分と粉の割合が1:1のしっとりとした「レザン」(¥777)、絶妙な食感がクセになる「シナモンロール」(¥324)。インスタグラム(@ravens_table)のダイレクトメッセージから予約可能。
住所:世田谷区桜3-2-15 稲田ビルIII 102 ☎080-3435-0925 営業時間:10:00〜18:00 ※売り切れ次第閉店 休:日・月、隔週火
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岩﨑ホルモン 
苦手な人にこそ味わってほしい
美食の豚ホルモン
店主の岩﨑淳さんは開口一番「僕はホルモンが苦手だったんです。だからこそ、おいしいものを食べてもらいたいんです」。ここで提供されるのは、これまでの固定観念を覆す、丁寧に下処理されたホルモン焼き。岩﨑さん自らが屠殺場での仕入れから下処理、仕込みまでを行い、約20種の部位を味わうことができます。部位ごとにおすすめの焼き方があるので、迷ったら相談を。
○見たことがないほど薄くカットされた「ガツ芯(胃袋)」(¥850)。○店内はカウンターのみ。○繊細で美しい「ガツ刺し」(¥750)。○親しみやすい「ハラミ(横隔膜)」(¥850)、白くて脂がのった上質な「生テッポウ(直腸)」(¥850)、小皿料理の「ネギ塩冷奴」(¥550)、「角ハイボール」(¥500)。そのほか、ビールやチューハイなども。
住所:世田谷区桜3-2-15 稲田ビルIII 101  ☎03-6804-4029 営業時間:18:00〜22:30L.O.  休:月
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ふきだし
ふきだし
確かな技術を感じる、繊細な江戸前鮨
鮨 うち田
 大通りに面していながらも隠れ家のような門構えで、店内は、落ち着いた雰囲気の空間が広がります。大将の内田翔太さんは、銀座の名店で10年修業を積み、かねてから考えていた世田谷で2019年に独立。
 内田さんは、「お酒が好きなので、わさびの茎の醤油漬けや、たらこの西京漬けなどアテになる料理が多いです。食材はもちろん日本酒も、酒屋さんと相談しながら自分で選んでいます」 と話します。素材の仕入れは基本、市場へ足を運び、自らの目利きで魚を厳選。江戸前鮨に使うシャリは、その時期よい品質の古米を取り寄せ、硬めに羽釜で炊き上げます。一つひとつのプロセスに丁寧な仕事ぶりが光る内田さんは、握りについてこう話します。「かすごは、通年使いたいと思う魚で、〆て寝かせて、最後に仕込んでおいた芝海老のおぼろをのせる。すごく手間がかかるんです。さらにいかは、刺し身で食べるとかめばかむほど甘みが出てくるけど、どんなに工夫 しても、鮨で食べると甘みが出る頃にはシャリがなくなります。だから、旨みの詰まった部分をできるだけ多く舌で味わえるように作っています。これは修業元の技術でもありますけどね」。
 そんな細部まで趣向が凝らされた、小ぶりで上品なお鮨は、おまかせか握りのコースで提供しています。
  • ○コースで提供される握り(おまかせコースは8貫、握りコースは15貫)。この日は、熟成させたまぐろの赤身、いか、黄身のおぼろをのせたしんこ、かすご、うに。○前菜の「かつおのたたき」は、玉ねぎと九条ねぎ、みょうが、特製だれでいただきます。○カウンター6席と席数に限りがあるため、当日でもご予約を。コースは¥14,300〜。
住所:世田谷区世田谷1-18-12 KSKビル1階 ☎070-2833-1212 
営業時間:18:00〜23:00 ※完全予約制 休:日・祝
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SWEETS:

  • 写真 = 星川洋嗣 スタイリング = 田口恵美 文 = chico
  • カヌレと焼き菓子専門店galbe
  • 〔東横線/大倉山〕
  • カヌレ

5つの香りを秘めた、温故知新なカヌレ

 不意に訪れたカヌレブームで、近頃はいつにも増してカヌレを食べていた。なかでもひと口で引き込まれたのが、「galbe」のカヌレ。おしゃれな新店ながら、製法は銅型に蜜蝋を塗って仕上げる伝統にきちんとのっとって。まず高温でガッと沸騰させることであえて蜂の巣のように細かな空洞を作り、低温でじっくり1時間焼き上げ、周りは薄くカリッ、中はもっちりエアリーな理想のコントラストを叶えるという。頬張ると閉じ込められていたダークラムとタヒチバニラの芳醇な香りが、じわりとあふれ出すよう。表面のキャラメル香と融合して、かむほどに味わいが深まる。バリエーションもまた楽しい。トッピングだけでなく生地のフレーバーが違い、その風味を引き出すべく配合も焼き方も変えるとか。フランボワーズのカヌレは果実味弾け、ピスタチオならあの香りとコクが、カヌレになってなお輝く。クラシックと自由のバランスの妙、クセになります。

「カヌレ5種5個入りBOX」¥1,950。プレーン、ピスタチオ、キャラメル、抹茶、フランボワーズの5種入り。ばら売りではプレーン¥320、ほか各¥350。さらに、さつまいもや紅茶など、シーズナブルなカヌレも増えるというから楽しみ!

  • カヌレと焼き菓子専門店galbe(ガルブ)
    住所:横浜市港北区大倉山2-2-1 エルム392 2-B(2階)
    ☎045-718-6551
    営業時間:10:00〜19:00(売り切れ次第終了。予約商品の受け取りは17:00まで)
    休:月
    アクセス:大倉山駅より徒歩1分 ※https://galbe.shopより、お取り寄せ・店頭受け取りの予約が可能。
  • chico ◉チコ
    スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。